何に今、情熱的であるべきか必死で探してる
2008年05月08日 18:36
昨日、年下の経営者と話をした。
彼は僕から見ても、果てしなく仕事ができる!
頭がキレるから、仕事も速い!
だから、色々な企業からも必要とされている。
忙しく働いていて、それなりにお金も持っている。
だけど・・・自分が本当にしたい事を常に探して、もがいている。
そんな彼との会話の中でこんな話をしてみた。
【夢を実現するという話】
高校3年生の頃・・・
「Jリーガーになりたい!」という想いを胸に入学したサッカーの名門校で、自分の本当の実力と、プロになる人の実力の差を目の当たりにして、努力をしても埋まらない溝に底知れぬ絶望感を抱いていた中で、見つけた夢の続きが"音楽"だった。
「気分転換になれば」と軽い気持ちで中学2年から始めたギターは僕を思わぬ深みへハマらせる。
中学時代は同じ音楽仲間とサッカー部の練習が終わると家に集まってはセッションする日々・・・。・
ギターを弾いている時はまるでロックスターにでもなったかの様に・・・。
それでも、Jリーガーを夢見て、高校に進学する時には
「ギターは暇つぶし程度!俺はサッカーに生きる!」
と自分を押さえつけてはいた。
それが、高校3年の時にサッカー部を引退した事で、"解禁"されてしまってからは・・・バンド活動に明け暮れていた。
授業中に歌詞をノートに書き殴ったり、作曲をしては友達に聴かせてみたり。
そして、高校3年の文化祭で僕は新しい夢の続きを見つけてしまう。
味のある歌い方をしていた、同じサッカー部で仲良かった里見 淳をボーカルに誘い、たまたまギターを担いで学校に来ていた姿を見かけた、一度も話をした事がない増田 昇平をギターに、ドラムに触った事もなかったが、明るい性格で常に人気者だった同じクラスの萩原 新司をドラムに誘い、文化祭に出演する為のバンドを結成した。
演奏は最低レベルだったと思う。
でも、文化祭のステージで僕たちは学校中の生徒の黄色い歓声を受けステージをこなした。
ライブが始まってすぐにギターの弦を切ったギターの増田 昇平・・・。
通常の3倍以上のテンポでドラムを叩く萩原 新司・・・。
歌詞は無茶苦茶、歌ははずしまくりの里見 淳・・・。
ベースなのに、音がずれているし、間違う僕・・・。
それでも・・・何をしている時よりも楽しかった。
4人が演奏中に目を合わして笑い合っていた。
それが何よりも幸せだった。
夏休みを潰して、練習を続け・・・完全燃焼した20分間のステージが終わったステージ袖で
僕たちは、こんな話をした。
「今日、見た景色をいつか、自分達のオリジナル曲で見よう」
あれからバンドは見果てぬ夢に走り出した。
眠たい目をこすってアルバイトをして手にしたなけなしのお金をはたいて
ライブハウスに出演して、観客のいないステージで歌い続けた。
ライブが終わると、ライブハウスの店主に
「今日のライブは最低だった!何がしたいんだ?もぅ辞めれば?」
そんな言葉を投げつけられながら・・・。
それでも、不思議と誰からも出なかった「辞めたい」という言葉。
夢というのは登山みたいなもので、雲の上に隠れた頂上を想像したり、時には見えた頂上の高さに目がくらみながらも、見続ければ、歩み続ければ叶うものだ。
無我夢中に走り続けた果てに
気がつけばレコード会社と契約し、CDを出しては全国ツアーに出ていた。
そして、「今日、見た景色をいつか、自分達のオリジナル曲で見よう」と高校の文化祭で誓った夢は4年たらずで実現してしまう。
自分達の全国ツアーのファイナルワンマンライブで集まった観客の数・・・数・・・数。
「今日のライブに友達が4人来てくれる!」と一喜一憂し、デモテープが2本売れたと祝杯を上げていた頃が嘘の様に、自分達の手でつかみ取った夢のステージに上がり、ステージを見つめる観客を前に僕はこんな事を考えてしまう・・・。
「夢が終わった・・・これからどうしようか!」
まだステージで演奏中なのに・・・もっと今のステージを楽しめばいいのに・・・僕はバンドがこの先、向かう下り坂を見つめ、泣いてしまっていた。
夢が叶って嬉しかったから泣いたのではなくて
夢が消えてしまった事への焦りから来る涙だった。
ワンマンライブが終わって、メンバーで祝杯の打ち上げの席で・・・何もかもを忘れて酔いつぶれる里見に僕は殴り掛かる。
「お前は何でいつもそうなんだっ!これから先、俺たちはどうするんだよ!」
名前の付けれない感情を仲間にぶつけてしまった。
夢はいつしかたどり着く。
諦めない限りは必ずたどり着く。
その夢の階段が何段になろうとも・・・一歩づつ登り続ければ必ず。
でも、その夢の階段が高ければ高い程・・・
その夢が叶った瞬間の悲壮感は計り知れない。
贅沢な悩みと言われるかもしれないけど・・・その悲しみは計り知れない。
今まで積み重ねて来た大切な何かが音を出して崩れていく様に見える。
そこで僕は気付いた。
【夢は叶えるまでの道のりが何よりも大切だ】という事。
当然の言葉に聞こえるかもしれないけど、これが幸せの真理にすら思えてしまう。
ビジネスでも同じかもしれない。
結果も大切だけど・・・その結果を導く過程こそが
本当に大切なものかもしれない。
僕たちにとっては、苦難が続いた日々の中にも数々の楽しい出来事があった。
ライブハウスの店主に、自分達が信じた曲を非難された後・・・
「あんな酷い事言う必要ないのに!」なんて愚痴をこぼしながら打ち上げで呑んでいくと、不思議と笑顔になって、「次こそ頑張って、見返そうぜ!」なんて前向きになっている。
高校時代からの友人だからこそ乗り越えれた絆なのかもしれない。
もし、音楽性だけで繋がっているメンバーなら、すぐに離ればなれで解散していたに違いない。
演奏が特別上手なメンバーだとは言えないけど、そんな絆に結ばれたメンバーを思うと、これ以上にない最強のメンバーに出会えたなと誇りにすら思う。
そんな彼らと歩めた無邪気な蒼い日々こそが僕にとっては何よりも宝物であり、人生の糧でもある。
そう思うと、CDデビューをした事も、大勢の観客を前にライブをした事も、そんな事はどうでも良い事に思えて来る。
僕たちはタダ単に・・・高校時代の、あの文化祭の時の様に4人で楽しく笑いながら音楽がしたいだけだった。
それが僕たちの夢だった。
・・・・・・・・。
「夢を叶える事だけに夢中になるばかりに、その過程を疎かにしたら何も残らないよ!」
そんな生意気な言葉を後輩に最後に投げてみた。
目的を達成する為に、手段を選ばないやり方も悪くない。
ビジネスにおいては必要な能力かもしれない。
だけど・・・やっぱり、自分が大切だと信じ噛み締めながら歩んだ日々は、これからの自分の背中を思いのほかに押してくれる。
そろそろ、僕もあの頃の夢の続きをまた見たい気分だ。






天上 博規
