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2010年01月19日

阪神大震災から何を学んだのか

当時、中学1年生だった自分自身にとって、今も深く胸の奥に刻まれている阪神淡路大震災の記憶は毎年の様に1月17日を迎える度に込上げてくる。

1981年生まれの自分たちも今や28歳となり、社会人として世の中の中心的な存在になっている。

あれから15年も経った事実は、子供の顔から大人の顔に変わっている自分の姿が物語っているが、頭の中は今でも「昨日のこと」の様に時間は止まってしまっている。


1995年1月17日

たしか連休明けの火曜日だったか・・・前日の寝床につくまでの自分の頭は、翌日の塾の宿題の事や数日後に控えた中学校の恒例行事のマラソン大会の事だった。

いつもは自分の部屋のベッドで当然の様に寝る所だが、不思議な事に1週間前程から「自分の部屋は寒いから」という理由でリビングに簡易的な布団をひいて寝る事になっていた。

本当に不思議な事に。

そしてあの1995年1月17日5時46分・・・母の叫び声で目を覚ました直後、地面の底から唸りをあげて揺れる家・・・割れる食器の音や倒れる本棚を目だけで見ていた。
頭の中は何が自分たちの身に起きたのか、冷静とはほど遠い感覚だけがあった。


揺れがおさまった直後に家族の無事を確認して父親に言った。

「父さん!懐中電灯を持ってきて!」

パニックになり過ぎると逆に冷静になるものなのか・・・暗闇の中でとっさに叫んだ後、すぐにベランダから外を見た。

近所にはマンションが多いからか、外は暗かったが家屋が倒壊しているとか、人が死んでいるとか後で知る事になる大惨事を物語る光景はなかった。

自宅の前のマンションの住人が外でそれぞれに話をしている声が聞こえる。

「凄い揺れだったな〜」「大丈夫か?」


自分の部屋に行ってみると、いつも寝ているベッドの枕部分に勉強机・本棚・タンスの全てが倒れていた。ガラスは粉々に粉砕していた。

もし、いつもの様に自分がここで寝ていたら、どうなっていたのかと思うと「死」とは無縁だと感じる日常が奇跡の様にも感じてしまう。

数時間後、友人が自宅にやってきて、こう叫んだ。

「魚崎中学がつぶれた」

自宅から徒歩1分の母校に行くと、2つある校舎がそれぞれの方向に傾き、今にも倒壊しそうな姿で佇んでいた。

昨日の夕方まで、毎日の様に駆け回っていたグランドには地の底が見えない亀裂が入っていた。
よく映画で見ていた地球最後の日の1ページだった事を憶えている。


それから数時間・・・いや、その1月17日を自分がどんな思いで存在していたのか記憶が曖昧でしかない。
何をして、誰と会って、どこに行って。
断片断片は憶えているけど・・・。

青木駅の商店街の市場が燃えていた事。
駅に留っていた電車が倒れていた事。
燃える家に向けて水が出ないホースを持っていた消防士。
泣き叫ぶ人たち。
道路の横に毛布がかけられたままの遺体。
倒れた建物に潰された車。
公衆電話に長蛇の列が出来ていた事。

その日から数日間は余震が酷かった。
余震だけでも震度5はあるのでは?という揺れが数分おきに襲ってくる。

そんな不安からか、中学の体育館に寝床のスペースを確保して家族で避難所に逃げ込んだ。
その日の夜・・・数分おきの余震の度に体育館の天井は悲鳴をあげ、避難してきた人たちのザワメキが起きる。
空には報道のヘリコプターの音がなり続け、これからをどうするかなど考える余裕なんてどこにもなかった。

あれから15年・・・神戸の街と人は笑顔を取り戻して、今までの変わらない神戸の姿まで復興した。

それでも1月17日には毎年の様にあの日に戻ってしまうのは、あの震災を忘れたいからなのか?それとも忘れたくないからなのか・・・自分の頭では理解できない。

あの震災当日に知った事があった。


着の身着のままに家を飛び出した人ばかりが溢れる街で、おにぎりを配る人や助け合い救助を行う人の姿。

おにぎりを配る人はこう言っていた。

「こんな時は知ってる人とか知らない人とか関係ない!助け合いやから!どんどん持って行って」

人は極限状態になると奪い合う生き物じゃない。
助け合う生き物なんだと。支え合う生き物なんだと。

先日、阪神淡路大震災の特番として「神戸新聞の7日間」というドキュメンタリードラマがあった。


※まだ見ていない人はYoutubeに動画があるので見て下さい。


綺麗事とか人生論とか夢とか希望とか、すべてを越えた何かがあの日に存在していた事を思い出した。

呆然とするしかなかったあの日から神戸の街は今、また世界に誇れる姿を取り戻した。

そして深く思う。

やっぱり人って凄いな〜という事実を。

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