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2010年06月07日

アイドル全盛期での人気の秘密とは

・1人につきCD複数毎販売
・巧みな特典戦略
・各メンバーのマネジメント分散

AKB48というアイドルグループに実際、誰が在籍しているのか一人も名前が分かっていない自分自身だが、なぜ彼女たちが秋葉原のオタク層に支持されるアイドルから、今やお茶の間に浸透するまでになったトップアイドル集団にまで成長したのかは理解できる。

そこには、プロデューサー秋元 康の巧みな戦略があり、この戦略プロモーションの考え方や、個人個人のマネジメント手法はアーティストのみならず、企業でも参考になるのではと関心を寄せている。


2010年5月26日に発売された「AKB48」の16枚目のシングル『ポニーテールとシュシュ』は発売1週目で51.3万枚を売上げ、6月7日付けのチャートで堂々1位を獲得したという。

CDが売れないという、この時代の中で実際に51万枚という売り枚数の数字は驚きであり、多分・・・そんな枚数は売れていないとも思っているが、実際に音楽業界の中身を見て来た観点からいうと、その10分の1が実売数かなと踏んでいる(予想)。
※レコード会社が発表する販売数=プレス数(CDプレスをした枚数)の時もあり、又は各CDショップ(実店舗・ウェブショップ含)への卸枚数時の数字が大半である。消費者へ届いた数字ではないが・・・言葉のからくり上、販売数=消費者が買った枚数と取られがちである。


それでも5万枚でも確かに凄いし、5万枚も売ればランキング1位には余裕で入ると思う。

では、なぜそれ程の枚数のCDをこの時代に売る事ができたのか?
確かにお茶の間に浸透した国民的人気アイドルという肩書きを得たが、その純粋な人気だけでは、ここまでの商売的な成功には届かないと感じている。

AKB48のファンの間でも有名な言葉がある。

「AKB商法」

AKB48というアイドルグループをビジネスとして成功させる為に、プロデューサーである秋元 康が掲げたターゲット層に注目してみる。

いわゆる「オタク」と呼ばれる秋葉原などの街に頻繁に足を運び、テレビゲームやインターネットなどで独自の文化を形成する人たちだが、彼ら・彼女らに突出したビジネス上の魅力があった。

「自分が好きなモノ・ヒト・コトへの金銭的な消費を惜しまない」

そんなライフスタイルに「会いに行けるアイドル」としてAKB48を立ち上げ、彼らの居る場所にアイドルを送り込んだ。

「好きなアイドルには大金をはたいてでも応援したい!」
そんなファンの心理を掴んで、AKB48はCD販売の常識を打ち破った。


・CDは一人につき1枚ではなくて、一人につき複数毎

複数枚のCDを購入させるリピート商法こそが「AKB商法」と揶揄され、ファンの間でも度々話題となっているマーケティング手法に他ならない。


AKB48ではシングル販売される曲に参加するメンバーをファンからの投票で決める「AKB48総選挙」という手法が行われている。

今までは与えられるだけだったファンが、自分自身もアイドルを育てれる立場(参加する)になれた事で、より一層の愛着心が湧いてくる。

ニューシングルの『ポニーテールとシュシュ』の初回プレス盤には投票用紙が封入されており、お目当ての子を応援しようとCDを複数枚購入するファンも少なくない。
都内のCDショップ店員の話によると、一度に20枚も購入する者もいたという。

その上、初回プレス盤に全国握手会の参加チケットを封入、タイプAとタイプBでジャケット写真と3曲目の楽曲が異なる、CDのみの劇場盤には各種メンバーの生写真をランダムでつけたりと、どれも複数枚の購入意欲をそそる「AKB商法」で販売数を伸ばした。

ウェブ上のインターネットマーケティングにおいても「口コミ」が重要とされるなど、企業側からの発信だけでなく、ユーザー側の発信にポイントを重く置く感覚は「ユーザー参加型」などのサービスとして多くブレイクしていった。

そういったマーケティングがAKB48のマーケティングにも上手に活用されている。

結果的に一人が20枚のCDを買うなどの現象に繋がっている。

さらにAKB48のもうひとつの商法として、所属事務所を1社でまかなうのではなく、メンバーごとに異なる事務所に所属させていることが挙げられる。

結成当初は1つの事務所に所属していたメンバーだったが、マネジメントがしやすい、卒業後もソロで芸能活動がしやすいなどの理由で、太田プロやホリプロなど10社以上の事務所にメンバーを小分けして所属させている。

こうすることで各事務所のバーター(「抱き合わせ出演」の意味、あるいは本来予定された人の出演が叶わなくなり、代わりに「格下の人を出演させる」という意味も持つ)としてもAKB48を出演させやすく、結果的にメディアへの露出が増え、AKB48の認知度アップにもつながった。

2005年に『会いに行けるアイドル』として秋葉原から生まれ、今や小中高生らにも人気のグループへと成長、トップアイドルとなったAKB48。

現在、確実にお金に変わるアイドルであり「AKB48総選挙」の公式ガイドブックの出版にあたっては、この出版不況に確実な販売部数が見込めるとして数多くの出版社が名乗りを上げたほどだった。


そこには、アイドル(商品)をブレイクさせる為の最初のターゲット層の絞り込み戦略と、そのターゲット層の属性やライフスタイルの熟知。

オタク層をターゲットにしたという切り口だけでなく、今や若年層に支持される理由(王道アイドル曲が多く、AKB48というコンセプトやPVにお金ねかけていること、それがシングル特典として入っている、曲の舞台が学校である等など)は他にもある。

それでも、世間一般へ広げる上でのメディア戦略と、商品管理マネジメントのリスク分散と効率化など、全てにおいて最適化された秋元 康のプロデュースには今後も注目していきたいと思う。

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