サッカーを始めたのは、小学3年生の時に姉に「弟が土日に暇しているから、スポーツをさせよう!」と半ば無理矢理に入れられたクラブチームから。
当時、Jリーグなんてプロリーグはなかったし、W杯なんて日本が出れるのは夢のまた夢状態の中・・・人気も野球に完敗していた時代に、やはりサッカー少年が集まるチームでの会話の内容はプロサッカー選手の話ばかり。
小学4年生の頃になると好きな選手!なんて言葉も出てきて、マラドーナにジーコ、ファンバス点テン、フリット、ベルカンプ、マテウスなどなど・・・往年の名選手は熟読していた「月刊 サッカーマガジン」からの情報。
「誰が好き?」
そんなやり取りが土・日曜日にチームで集まる度に開かれる。
その中でなぜか自分が好きだと言い続けて来た選手が、「空飛ぶオランダ人」と呼ばれ、オランダで「全員攻撃、全員守備」のトータルフットボールを実践してきた(ヨハン・クライフ)という選手。

日本のお笑い界にBIG3(タモリ・ビートたけし・明石家さんま)ならぬ、サッカー界のBIG4(ペレ、ベッケンバウアー、クライフ、マラドーナ)の一人。
サッカーが好きな人やサッカーをしてきた人は当然の様に知っている選手。
昔から何かと背番号は「14」にこだわってきたのも、このクライフの影響。
しかし、皮肉にも
小学生時代の背番号:7番(6年生の時は5番)
中学生時代の背番号:10番
高校生時代の背番号:7番か8番(個人持ちは69番)
社会人時代の背番号:11番
フットサルチーム所属の背番号:14番
と、やっと14番に辿り着いた経歴だが、好きな番号は迷わずに「14」。
そんなヨハン・クライフをなぜ、このタイミングで紹介したいかというと、2010年の南アフリカでのW杯の決勝のカードは「スペイン」と「オランダ」という組み合わせになった。
このスペインと、オランダの両国はまさしく、ヨハン・クライフの国に他ならない。
オランダ人のヨハン・クライフはもちろん、オランダのプロリーグ出身で、名門のアヤックスに所属。
その後はスペインのバルセロナに移籍し、このバルセロナでも独自のサッカー理論でチームを創り上げてきた。
そのサッカー理論を現代に受け継いだチームこそが、今回のW杯の決勝に残った2チームであり、特にバルセロナの選手で大半が固められたスペインに他ならない。
スペイン代表を観ると
プジョル、ピケ、ブスケッツ、シャビ、イニエスタ、ペドロがバルセロナ所属で、ビジャもW杯が終わればバルセロナに入団することが決まっている。
セスクはバルセロナのユース育ち。
スペインのプレースタイルは、そのままバルセロナといっていい。
そして、そのバルセロナ・スタイルの大本を作ったのがヨハン・クライフ。
バルセロナのグアルディオラ監督は、「クライフは(バルセロナというチームにとって)ラファエロのような存在」だと言う。
ラファエロの壁画はすべて1人で描いたわけではなく、ラファエロの工房に所属する多くの弟子たちが手伝って完成した作品。
とは言え壁画の元のアイデアはラファエロのもの。
この喩えからは、つまり現在のバルセロナの原画、元のデザインを作ったのは'90年代に監督を務めたクライフだという意味を、グアルディオラ監督は言っている。
クライフのDNAはバルセロナに、スペインに、世界中のどの土地よりも濃く受け継がれている。
そして、そんなクライフがバルセロナに持ち込んだのは、オランダでクライフが選手として活躍していたアヤックスのフットボールだった。
つまり、ヨハン・クライフを介してオランダとスペインは兄弟のような関係にある。
今大会前に連敗続きの中から岡田監督が緊急でフォーメーションにテコ入れを行った。
その岡田監督が参考にしたのが、今回のチャンピオンズリーグでバルセロナを敗り、優勝したインテルの監督だったモウリーニョ(次節よりレアル・マドリードの監督に就任)だった。
イビチャ・オシム前日本代表監督が、「モウリーニョの影響が強い大会」と皮肉なコメントをしているように、今回はいわばプロ仕様の試合が多かった。
どのチームも試合に勝つ為の闘い方を徹底していた。
日本代表もしかり・・・実力は劣るが、試合運びや闘い方で優勢に立ち、しっかりチャンスをものにして勝ち上がった。
そういった闘い方はサッカーを指導するコーチや専門家にとっては見どころが多いかもしれないが、一般の人々には退屈だったかもしれない。
点の取り合いが少なかったり、芸術的なゴールは少なかった。
(本田の無回転フリーキックは今大会のベストゴールに入っている)
ドイツとスペインの準決勝の試合は1-0というスコア以上にスペインが完勝した内容だった。
イングランドやアルゼンチンに4点を叩き込んだドイツの攻撃力は発揮させてもらえないままに、ゲームをスペインに支配された試合は、サッカーの闘い方を知る人から観ると面白いが、一般的には「つまらない試合」に映ったと思う。
しかし、そんな大会の中でも唯一の面白いサッカーを期待出来るカードが遂に決勝戦で観れる事になった。
サッカーのW杯は国全体にとっても重要な意味を持っている。
どちらも初優勝のかかった試合なので、固くなってしまい守り主体になってしまうかもしれないが、ここはヨハン・クライフが魅せた「楽しいサッカー」を受け継ぐ国同士・・・攻撃のやり合いで、誰が観ても楽しいサッカーをして欲しい。
同じく遠い島国でヨハン・クライフに憧れ、サッカーにのめり込み、何度も何度もクライフターンと呼ばれるフェイントを練習してきた自分も明日の日曜日の深夜3時から観戦したいと思う。
しかし、スペインの布陣を見ると、ほぼバルセロナ&レアルマドリード選抜みたいなもんですね。
バルセロナ所属の選手:プジョル、ピケ、イニエスタ、ブスケッツ、ペドロ、シャビ、ビジャ
レアル・マドリード所属の選手:カシージャス、セルヒオ・ラモス、シャビ・アロンソ
レギュラーの11人中10人がスペインの強豪2チームから選出されてるという(笑)。
そりゃ〜パスも回るわけですね。


