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ウェブデザイナーに求められるデザイン vol.01 天上 博規

ウェブデザイナーに求められるデザイン

様々なジャンルで活躍するデザイナーを中心とした人物にスポットを当て、彼らが考えるウェブにおけるデザインとは?を語って頂くシリーズ。

第1回はこの企画の発案者であるBUZZCOMの天上 博規 編です。
2000年からウェブデザインに関わってはいるが、最初の"デザイン"との出会いは自身のバンドの販促物だった。
ライブ告知のチラシ、アンケート用紙、ポスター、CDジャケット、そしてウェブサイト。
独学で学び続けてきた、その経歴から現在に至るまでの足跡とウェブデザインについての考え方を記念すべき第1回目にご紹介。

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■第1回特集:第1回 天上 博規


レイヤー構造もアウトラインも知らないままデータを業者に入稿
デザインを最初に意識いたのは、やっぱりバンド活動の中で必要になってくる販促物などの制作です。
バンドのカラーやキャラクター、音楽性、そしてファンの人へのイメージ的な戦略、更にはバンドメンバー個々の好みや主張。これら全てを盛り込みながら、ひとつひとつのグッズをデザインしていきます。
高校を卒業した2000年頃から、そんな事を遊び半分、本気半分で続けていました。

例えば「デモテープを作りたい!」という事でスタジオでテープに曲を録音して、そのカセットを何百本も家でダビング作業をする。
そこまでは手探りで何とでも誰でも出来てしまうけど、そのデモテープをライブ会場で販売したいとなると、そこにはやっぱりデザインされたジャケットが必要になって来ます。
デザインはコミュニケーションだから、そのデザインひとつでバンドのイメージが本当に良くも悪くも聴き手に伝わってしまいます。
だから慎重に考えてしまうんだけど、そんな時に話し合いでバンドの音楽性やイメージ戦略から「何か世間に受ける可愛いキャラクターが欲しい」となっても、そんなものをいきなり描ける訳がない。

そこで各メンバーがキャラクターの絵が描ける友達を探して交渉する。
そこは今思うと、もはやディレクションの域なんですね(笑)。
自分達はこういった音楽性で、聴く人にこういったイメージで感じ取って欲しい。
だからこの様な絵を描いて欲しいけど、描ける?
いつまでに出来る?
などを確認して、後は仕事の状況を確認しながら出来上がった絵に対して調整をかけていく。
過去のジャケットデザイン そんな事を続けている間に、今度はライブ告知のポスターが必要だ!アンケート用紙が必要だ!ステッカーが必要だ!と自分が動かないと追いつかない状態になって・・・。
それからイラストレーターやフォトショップを本を買いまくって勉強して少しづつ使える様になると、自然と他のバンドのチラシやポスターを観察する様になりました。
「あのバンドのポスターは格好良いな〜」とか「このステッカーの素材って何だろう?」とか。

デザインをする上で一番大切なのは
"自分が何を感じるか"に他なりません。
あるデザインを見て(感じて)、綺麗だとか、気持ち良いとか、優しい気持ちになれるとか、自分がどう感じているのか感じる力であり、それが"実感"するという事です。
これが意識的にでも、無意識的にでも出来る人は良いデザインを創り出す事が可能だと思っています。

よくBUZZCOMのスタッフにも言うのが
「"見る"のではなく、"観る"ということが大事!」
という言葉ですが、観察力があれば、多くのアイデアをどんどん自分の引き出しにストック出来ます。
そのストックされたアイデアの種が、自分がデザインする時に連鎖して必要な部分が出てくる。
そんな事をしていく間に気がついたら周りからデザイナーみたいな言われ方をしていて、仕事を依頼される事が多くなりました。

でも、実際はDTPとかの現場を一切知らないから、業者にデータを入稿する時でもアウトライン化なんてしてるはずもないし、トンボも知らない。解像度も理解していないし、レイヤーの構造は適当だからデータを修正する時に時間が必要以上にかかってしまう・・・。
何度も印刷業者から怒られました(笑)。

"コミュニケーションを設計する"というウェブならではの概念
2000年にはウェブサイトの制作にも取りかかりました。当時使っていたソフトはAdobeのGoLive5.0で、このソフトを使いこなす為だけに5冊以上のGoLiveに関する参考書を買って勉強しました(汗)。
ウェブはポスターやチラシと違い、グラフィックだけではない、サイトを見るユーザーがアクションを起こす(クリックする)コミュニケーションの設計が必要になります。
サイトに来たユーザーがトップページから次のページに移った時に、次のページからまた違うページへ簡単に移動できる為のリンクナビゲーションの設計やその配置場所には当時、頭を悩ましました。
過去のサイトデザインと現在のサイトデザイン そういったユーザーがサイトを動く為のリンクナビゲーション自体をデザインする事までは当時は考えつかなかったというか、余裕がなかったけど、色々な企業や他のバンドのウェブサイトを観察していくと綺麗にデザインされながらも、ユーザーがクリックしやすい場所や大きさで配置されていて、それを参考にリニューアルを重ねていったり、コンテンツを増やしていったりしてサイトを成長させていきました。

ウェブをデザインする上で一番大切な事は"コミュニケーションを設計する"というウェブならではの概念をデザインする事です。

昔からウェブサイトに関しては色々な人の話を聞いたり、その人の作品を観てきましたが、綺麗で繊細なグラフィックのデザインは出来るのに、ウェブサイトは創れないというデザイナーが非常に多く存在します。
例えば、解像度が違う、表示するスクリーンの大きさで見え方が違う、色合いが違う、フォントの大きさでレイアウトが変わってしまうなど、カッチリとした枠の中で最大限にクリエイティブを発揮して来たデザイナーにとっては、何から手を付ければ良いのか分からないという声があります。

今でも多くのグラフィックデザイナーの方と仕事をさせて頂く時がありますが、やはりそうした折り合いの観点でぶつかる場面も多く、僕以上にグラフィックの考え方で仕事をされている方はストレスを感じていると思います。
しかし、ウェブサイトをたくさんの人に見てもらい、使ってもらい、活性化させるには、"綺麗に魅せる"よりも"コミュニケーションを設計する"という事に視野を向けてデザインをする事でグラフィックデザイナーの方はもっと活躍する事が出来るのではないでしょうか。

喜怒哀楽を表現する一歩前に"コミュニケーション"がある
デザインというのは多くの場合、それに触れた人に対して何かを伝える手段です。
悲しませたいのか?喜ばせたいのか? 怒らせたいのか?楽しませたいのか? ウェブはそういった喜怒哀楽を表現する一歩前に"コミュニケーション"があるだけです。

では、「その"コミュニケーション"って何?」という声が聞こえそうですが、それは僕も曖昧な段階ですが、ウェブサイトにおいては、人が何かしらの期待を持ってクリックする動作に期待以上のモノを返してあげる・・・それはクリック先のページのコンテンツの質だったり、表現方法だったり、問題解決だったり・・・ そこに期待値を超える感動体験ではないかと思ってはいます。

そして、そんな感動を提供するには、やはり日頃から物事を観察する。
人の感情が動く瞬間を多く体験する。
その為には、やっぱり音楽活動はいつも多くの刺激を与えてくれていますね。

刺激を受ける活動


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