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2010年02月08日

選手も迷走の代表を変えるには

2010年の南アフリカW杯に向けて、「ベスト4」入りを目標とするサッカー岡田ジャパンが迷走している。

2010年の初戦だったベネズエラ戦ではベテランの小笠原が奮起する中、「まだ負けないだけ良かった」というメディアや国民の期待は当然の様に東アジア選手権の中国戦に向けられていた。

公式戦という負けられない試合の初戦だったからか、中国ゴールネットにボールを突き刺す最後の一振りに何が足りなかったのか?


岡田監督は国内組としては(今の時点での)ベストメンバーで試合にのぞんだ。

GK:楢崎 正剛
DF:中澤 佑二・田中マルクス闘莉王・内田 篤人・長友 佑都
MF:遠藤 保仁・稲本 潤一・玉田 圭司・大久保 嘉人・中村 憲剛
FW:岡崎 慎司

ワントップの様な布陣だが、実際は両サイドの玉田と大久保が常に攻撃に加わるスリートップ!
岡田監督の「確実に勝ち点を取りに行く」という攻める意思が伝わるフォーメーションだった。
ベネズエラ戦で好調だった小笠原 満男は「メンタル、フィジカル両面で疲れが見られる(岡田監督)」という理由で控えに回ったが、嘔吐を繰り返していた内田や、同じくコンディション面で不安が残る玉田をスタメンに起用した事を考えると、長く代表を抜けていた小笠原ではなく、経験とコンビネーション豊富な「いつものメンバー」を起用するという事が本当の理由だったに違いない。


少なくとも日本で最高峰のプロリーグを代表する選手を11人並べているだけあって、サッカーが下手だと口が裂けても言えるはずはない。
それでも「何で?」とテレビの前で観ているサポーターが声を上げてしまう様なミスを選手がしてしまうのは、そこに(チームとしての連携)の精度を上げる時間が「代表」というチームには少ない事は仕方がない。

常に年間を通して同じ選手と監督で練習を行うクラブチームとは違い、国の代表はいわば緊急的に招集されるツギハギだらけは当然の事であり、監督に求められる能力はその様な選手たちを(まとめる)事に過ぎない。

サッカーの中ではワールドカップの決勝よりもクラブチームが参加する欧州チャンピオンズリーグの決勝の方がレベルが高いとされている。

こういった代表のサッカーでは監督のメッセージを受け入れ、忠実に実現してくれる選手こそが代表に向いているとも考えられる。

そんな日本代表にとって、この中国戦での指示は「サイドを起点に攻める。中でパスを繋いで、サイドチェンジを有効に使う」というものだった。

その作戦は先ほどのスタメンメンバーの玉田と大久保の両サイドを見れば一目瞭然だった。

しかし中国戦は皮肉にもこの監督の要求に対して、選手たちが懸命に応え過ぎてしまった。
左サイドからは長友がドリブルで切り込み、右サイドからは内田がサイドチェンジを試み、そして中央から岡崎が走り込んでゴールラインぎりぎりから折り返した。

中央で待っていた中村はシュートに至らず、大久保は空高くシュートを打ち上げたが、本当の問題はそこではなかった(彼らがシュートを決めていれば、結果オーライだったが)。

結局、90分を通じて、そんなシーンが何度も見られたのだが、クロスを供給しても中の人数は足りていない。
しかも、何度も何度も同じ展開を繰り返す。
すると本来は手段であるはずのサイド攻撃が、何やら目的化しているようにも見えてしまう。

前半の最初の方はそんな日本のスピードある作戦に中国の長身ディフェンダーたちは足を出せなかった。この時間帯に本来は2点は入れておきたかった。

そんな日本のスピードにも徐々に慣れて来ると、長身の彼らはサイドから飛んでくるボールを処理するのに困る事はなく、逆にカウンターのチャンスを虎視眈々と狙っては、結果的に何度も日本ゴールを脅かすシュートを放ってきた。

試合はスコアレスのまま、内田のシュートはポストに叩かれ、期待の新人の平山が登場して、
楢崎が中国のPKを好セーブで防いだ。

しかし、それはメディアが使える表面的なハイライトシーンであり、本当に大切なのは、そんなチームをキャンプテンとして率いる中澤が攻撃陣の不甲斐なさに苛立ちを感じ、後半14分にインターセプトから単身持ち込んで、そのままクロスを上げようとした場面だった。


試合後、味の素スタジアムには今までになかったブーイングが巻き起こった。

岡田監督は何度か前向きなコメントを出したが、表情は硬く口調にも抑揚がない。

しかし、岡田ジャパンがW杯に向けて、圧倒的に中国よりも強い、予選のカメルーン・デンマーク・オランダと闘う為に目指してきたサッカーは10日間の合宿を行い日本戦に挑んだ中国に完璧に封じられた。
もっと言えば、今回の中国より予選で対戦する3カ国は日本を研究してくる。

そしてジーコジャパンが敗れた2006年のW杯でのブラジル戦後、引退を表明した中田 英寿が言った「今の日本にはジーコが言う自分で考えるサッカーでなく、トルシエの様に形をしっかり出して、そこにハマるサッカーの方が合っているかもしれない。でも、それでは世界では勝てない」という言葉の通り、言われたことしかできない(やらない?)選手たちを代表して、試合後に遠藤は「サイドに行ったらセンタリングをして、ニアに誰かが入ってきて、という型にはまったプレーというのが多かったように思う。言われたことを言われた通りにやるという、日本人の悪いくせが出た」とコメントした。

試合後に試合結果よりも内容に我慢出来ずブーイングをした25,000人のサポーターも岡田監督も目指すべき場所は同じはず。

「世界で勝てるチームで、世界にどれだけ通用するかを試したい!」

ベスト4は目標であって、何が何でもベスト4というわけではない。
日本代表の試合を観て、応援するサッカーファンは日本人としての誇りを与えてくれるような戦いをして「精いっぱいやり切った」という充足感を与え欲しいと願っている。

1998年・・・初出場で3戦全敗をしたフランスでの戦い
2002年・・・トルコに負けた日本での戦い
2006年・・・勝てたはずのオーストラリア・クロアチアに結果を出せず、ブラジルに力の差を見せつけられたドイツでの戦い。

どれも日本代表は「やり切った」という充実感のないまま戦いを終わらせてきた。

だからこそ、格上のオランダ、デンマーク、カメルーンと当たる南アフリカでの日本代表に対して感じた不安感であり、ブーイングだった。


さて短い期間で、どれだけの修正を行えるかは疑問だが、時節は香港。
そして過去2大会の優勝国の韓国代表は香港代表5-0で快勝した。

そんな韓国に大敗する事があったなら、日本国民のワールドカップへの期待、日本代表そのものへの期待はなくなってしまうに違いない。

何としても立て直しを行い「綺麗・上手い・素敵な試合」ではなく「やり切った素晴らしい試合」を魅せて欲しい!


追記として、日本と中国のスコアレスドローを聞いたグルノーブルの松井 大輔は奮起、公式戦で2ゴール・1アシストと結果を残した。
松井 大輔・中村 俊輔・長谷部 誠・本田 圭祐・・・まだまだ日本代表選手に確定は存在しない。

コメント一覧

大試合のみのサッカーファン(笑)です。

よーくワカル解説だわ。
一気に読んだ!

  • 投稿者 by マサ★アキ
  • 2010年02月08日 13:52

マサ★アキさん >
僕もJリーグはあんまり観ないサッカーファンです。日本代表にどこからでも勝手に決めてくれるフォワードが欲しいですね。
パスをつなぐの好きですからね・・・日本人は!
それで勝てたらいいのですが。

  • 投稿者 by テンジョウ
  • 2010年02月08日 14:09

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